ヨウ素

ヨウ素の働き・効能

ヨウ素は体内に10mg程度含まれ、そのほとんどは甲状腺に集中していてます。

ヨウ素は甲状腺ホルモンのチロキシンとトリヨードチロシンという成分を作る材料になっています。

この甲状腺ホルモンは、細胞の新陳代謝を活発にする働きがあり、交感神経の感受性を高める作用や、タンパク質、糖質、脂質の代謝を活発にします。

さらに、呼吸の促進や心拍数の増加、皮膚などの健康保つ、などといった作用があります。特に、胎児期から幼児期にかけては発育を促進します。

 

過剰摂取と不足

ヨウ素が不足した場合、のどの甲状腺がはれる「甲状腺種」という病気になります。

しかし、逆にとりすぎた場合もこの病気になることがわかってきました。

 

1日の摂取量・摂取基準

成人130μg、上限は2200μgです。

(妊婦は+110・授乳婦は+140を付加)

 

ヨウ素を多く含む食材

ヨウ素は海藻や魚介類などに多く含まれます。

例えば、コンブ、いわし、アジ、等です。

 

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セレン

セレンの働き・効能

セレンは体内に10mg程度しか含まれていません。

しかし、体内で生成した過酸化物質を分解する酵素の重要な成分として、老化防止や癌(がん)を抑制する働きがあります。

セレンは、動脈硬化の引き金ともなる、不飽和脂肪酸が酸化してできる過酸化脂質を分解する重要な成分で、抗酸化作用があり細胞の酸化を防ぎます。

この効用は、具体的に言えば、動脈硬化の予防、老化の進行を遅らせる、ガンの抑制、血行障害や更年期障害の改善などです。

 

過剰摂取と不足

通常の食事では過剰症は起きません。

セレンに対する欠乏症の心配はほとんど無いのですが、薬剤などで過剰にとった場合は中毒症状を引き起こします。

中毒症状は吐き気や皮膚荒れ、貧血、脱毛、肝硬変、などがあげられます。さらに急性の症状としては、呼吸器障害や腹痛です。

1日の摂取量・摂取基準

成人男性で30μg、成人女性は25μgです。(妊婦は+5・授乳婦は+20を付加)

上限は220~300μgです。

 

セレンを多く含む食材

セレンは魚介類やセレン濃度が高い土壌で育った植物に多く含まれます。

例えば、いわしやししゃも、ほたて、ねぎ、等です。

 

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カリウム

カリウムの働き・効能

体内に含まれるカリウムの量は体重の約0,2%で、その多くは細胞内に含まれています。

細胞外液に多いナトリウムと作用しながら、細胞の浸透圧を維持したり、水分を保持したりします。

カリウムには、細胞内の酵素反応を調節する働きがあります。エネルギーの代謝を円滑にし、細胞が正常に活動する環境づくりをしています。

カリウムには、ナトリウムが腎臓で再吸収されるのを抑制し、尿への排泄を促す働きがあることから、血圧を下げる作用があるとされ、高血圧を予防する効果があると考えられています。

カリウムは細胞内に存在し、ナトリウムは細胞外に存在します。その濃度の差は約30倍に保たれています。

カリウムは血液中にもあり、食塩の摂取が多いと細胞外のナトリウムが増加し、カリウムとのバランスをとるため、血漿(けっしょう)の量が増加して高血圧の原因になりますので、ナトリウムが多いときはカリウムも同時に多めにとらないとバランスがとれなくなってしまいます。

 

過剰摂取と不足

カリウムは摂り過ぎたとしても尿中に排泄されるので、普通の食事では過剰症になることはありません。

ただし、腎機能が低下し尿の機能低下で、尿の排泄が困難になると、高カリウム血症を起こすことがあります。

ナトリウムを過剰摂取してカリウムが不足した場合は、ナトリウムが存在しない細胞にまで増加し、心筋の働きを鈍らせ、不整脈や心不全をおこしやすくします。又、食欲不振や無気力、夏ばてなどもおこしやすくなります。

カリウムは比較的多くの食材に含まれていますが、以外に不足しがちのミネラルです。それは、調理の段階で多くが失われるからです。

さらに、食塩の摂取が多い場合もナトリウムとともに排出されてしまいますし、ストレスや下痢、アルコール、利尿剤の長期飲用、甘いものの食べ過ぎなどでも減らす原因になります。

 

カリウムの上手なとりかた

カリウムは植物性食品から動物性まで多くの食品に含まれています。そして新鮮なものに多く含まれます。

煮るといった調理法では、30%ほど損失しますので、煮汁ごと食べられる料理にすると良いでしょう。

 

1日の摂取量・摂取基準

成人男性で2500mg、成人女性は2000mgです。

ナトリウムとカリウムの摂取比率が2以下が望ましいとされます。

 

カリウムを多く含む食材

カリウムは野菜や果実などに多く含まれます。

例えば、刻みコンブ、大豆、アボカド、インゲンまめ、さといも、等です。

 

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リン

リンの働き・効能

リンはカルシウムの次に体内に多く含まれ、体重の約1%位あります。その量の85%程度がカルシウムやマグネシウムと結合して骨や歯の主成分になります。

残りの15%のリンの大部分は、たんぱく質や脂質、糖質などと結合して、細胞膜のリン脂質として、DNAやRNA(遺伝情報物質)などの核酸の構成成分として、あらゆる細胞に存在しています。

又、ATP(アデノシン三リン酸)という高エネルギーを発生する物質の構成成分でもあり、生命活動を支える重要な役割を担っています。

 

過剰摂取と不足

リンを多くとった場合逆にカルシウムの吸収率は低下します。最近ではリンが加工食品などの添加物に多く含まれていますので注意が必要です。

リンとカルシウムの摂取量は1対1が理想ですから、リンの過剰摂取は逆にカルシウム不足を招きます。

過剰摂取したときは、カルシウムの吸収に影響を与えるだけではなく、副甲状腺機能の亢進や骨代謝障害が懸念されます。腎機能の低下をもたらすことも判明していますから、腎臓が悪い人、骨粗鬆症の人は注意が必要です。

リンは不足した場合、骨軟化症や発育不全を起こし新陳代謝が低下し筋肉が弱り疲労感が出てきます。
場合によっては、てんかんを引き起こすことにもなってしまいます。

ただし、通常の食事では不足することはほとんどありません。

 

リンの上手なとりかた

リンとカルシウムの摂取量は1対1が理想です。

リンは多くの加工食品に含まれていますので、加工食品を良く食べる人は積極的にカルシウムの多い食品を摂らなければカルシウム不足になります。

ただでさえカルシウムは日本人にとって不足しがちな栄養素です。

 

カルシウムを多く含む食材

カルシウムは牛乳や乳製品、小魚、野菜、大豆製品などに多く含まれています。たとえば、干しえび、牛乳、生揚げ、水菜、牛乳、チーズ、ヨーグルト、菜の花、モロへイヤなどです。

 

1日の摂取量・摂取基準

成人男性で1000mg、成人女性は900mgです。

上限は3000mgです。

 

リンを多く含む食材

リンは牛乳や乳製品、魚、大豆、肉などに多く含まれます。

例えば、わかさぎ、どじょう、ししゃも、いわし丸干し、プロセスチーズ、ヨーグルト、等です。

 

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リチウム

リチウムの働き・効能

リチウムは、自律神経などの機能に関与し、急性躁病の治療や躁うつ病の再発防止に使われます。
又、白血球の増加や血圧を下げる作用、さらに生体リズムを変化させるといった作用もあります。

 

躁うつ病とは

文字通り「躁状態」と「うつ状態」を繰り返す病気です。

躁状態のときは必要以上にテンションが高いようなときで、そのエネルギーを使い果たしてしまったようなときにうつ状態になります。

うつ状態になってしますと、躁状態のときを思い出しそれを後悔して自己嫌悪に陥ったり、人により貧困妄想などが現れ、自殺までしてしまう人もいるようです。

人によりその症状は様々ですが、ストレスが影響しているものと考えられています。

 

過剰摂取と不足

過剰摂取すると、胃腸障害や運動機能失調、精神錯乱などの症状があらわれます。
不足した場合は、生殖に影響がでるといわれます。

 

1日の摂取量・摂取基準

現在のところ確認されていません。

 

リチウムを多く含む食材

いかなご・まいわし・あさり・ごまめ・干しきびなご・・・など

 

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バナジウム

 バナジウムの働き・効能

バナジウムも人の体内に微量ながら存在しています。

バナジウムは、脂質の代謝を促進してコレステロールの生成を抑制する働きがあります。

インスリンと同様の働きがあり、糖尿病予防成分として注目されています。

 

インスリンとは

ペプチドホルモンの一種で、肝臓のランゲルハンス島(膵臓の組織内に島状に散在する内分泌性細胞群)から分泌されます。働きは、血糖値を低下させることです。

インスリンは血糖値の恒常性維持に重要なホルモンである。血糖値を低下させるため、糖尿病の治療にも用いられている。逆にインスリンの分泌は血糖値の上昇に依存する。

引用先:wikipedia-インスリン

 

過剰摂取と不足

バナジウムが不足した場合は、血管にコレステロールが蓄積されやすくなって、心臓発作や動脈硬を引き起こすといったことにもなります。

バナジウムは金属元素ですから、呼吸から長期に渡り過剰摂取すると、胃腸障害や湿疹、皮膚炎、呼吸器系の障害、中枢神経系障害、等、があげられます。

 

1日の摂取量・摂取基準

現在にところ確認されていません。

 

バナジウムを多く含む食材

パセリ、黒コショウ、そば、いわし、さば、豆腐、わかめ、卵・・・など

 

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フッ素

フッ素の働き・効能

必須ミネラル以外にも身体の機能向上などに役立つミネラルはあります。これらはごく少量しか存在しませんので、超微量元素といわれます。フッ素もその一つです。

食品中に含まれるフッ素は胃と小腸上部から吸収され、骨や歯に運ばれ沈着します。

フッ素は腎臓を通り尿中に排泄されます。

体内のフッ素は99%はフッ化カルシウムとして歯や骨などの硬組織に含まれ、歯のエナメル質の形成や骨のミネラル化に役立つと考えられています。

フッ素には殺菌作用があり、歯垢内を殺菌することで虫歯を予防します。

又、歯のエナメル質にとりこまれて、これを強化し酸に溶けにくくします。

 

過剰摂取と不足

フッ素は過剰に摂取すると、歯の表面が点状になりつやを失い、しいては黒ずんできる斑状歯になりますので、摂取量は微量が良いとされます。

又、慢性的にたくさんとると、フッ素中毒症として骨に対しては骨軟化症が起こりやすくなります。

 

1日の摂取量・摂取基準

推奨量などは定められていません。

 

フッ素を多く含む食材

フッ素を含んでいる食品は、魚介類や海藻に多く含まれ、肉類にも含まれます。

緑茶にも含まれます。

 

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モリブデン

豆の画像

モリブデンの働き・効能

体内のモリブデンの量は、成人の場合でも9mg以下ですが、重要な働きをしています。

モリブデンは、肝臓や腎臓にある過酸化酵素に必要不可欠な成分です。体内活動で発生した物質を尿酸という最終老廃物に変えていくために不可欠な酵素の働きをサポートします。

モリブデンの働きとしては、糖質や脂質の代謝を助ける。鉄の利用を高め貧血を予防します。

 

過剰摂取と不足

モリブデンの欠乏症や過剰症になることはありません。

仮にモリブデンを過剰に摂取した場合、銅の排出を増やしますので銅の欠乏症を起こしてしまいますが、通常の食事をしている限り特に問題はないでしょう。

欠乏症としては、貧血や疲労、尿酸代謝障害、不妊などがあるといわれますが、まだ明確なことは解明されてないようです。

癌との関連も指摘されていますが、それも解明されていません。

 

1日の摂取量・摂取基準

成人男性25~30μg、成人女性10~25μgです。(授乳婦は+3を付加)

上限は450~600μgです。

 

モリブデンを多く含む食材

銅を含んでいる食品は、種実やレバー、豆類などです。

例えば、そらまめ・きな粉・小麦麦芽・牛レバーなどに多く含まれます。

 

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レバーの画像

 銅の働き・効能

銅は体内に100~150mg程度存在しています。

銅はヘモグロビンと鉄の合成を助けます。
よって、銅が不足した場合も鉄不足と同様に貧血になってしまいます。銅を含む酵素は、コラーゲンの生成に働きますので、骨や血管壁を強くします。

さらに、乳児の成長、骨の血管壁の強化、皮膚の健康維持のためにも重要な働きをしています。

 

過剰摂取と不足

銅による過剰症は、極めて特殊な急性中毒や遺伝的な病気、例えばウィルソン病などを除いてほとんど起こりません。

銅が不足した場合は、貧血や髪がちじれたり色が抜けたりします。さらに、コラーゲンの生成に支障をきたしますので、骨粗鬆症や動脈硬化が起こることもあります。

子供の場合は成長障害を起こすかもしれません。

 

1日の摂取量・摂取基準

成人男性0.9mg未満、成人女性0,7mgです。

上限は10mgです。

 

銅を多く含む食材

銅を含んでいる食品は、魚介類やレバー、豆類などです。

例えば、燻製ほたるいか・牛レバー・ゆでしゃこ・カシューナッツ・豚レバーなどに多く含まれます。

 

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マンガン

 マンガンの働き・効能

マンガンは体内に10mg程度存在し、骨の発育に重要な働きをしています。

マンガンは補酵素として、多くの酵素の働きを活発にする作用をもちます。
例えば、骨や関節を丈夫にする結合組織の補酵素になっていることから成長盛りの子供が骨を形成するうえでは重要ですし、タンパク質や糖質、脂質の代謝にかかわる酵素の成分としてスーパーオキシドジスムターゼという物質などの酵素成分としても不可欠です。又、エネルギーの生産にもなくてはならないものです。

 

過剰摂取と不足

日本人の場合は、マンガンの不足は見られないようですが、不足した場合は性ホルモンの合成能力が低下したり、妊娠能力が低下したりします。
逆に大量に摂取した場合は中毒をおこしますので注意が必要です。

 

1日の摂取量・摂取基準

成人男性4,0mg未満、成人女性3,5mgです。

 

マンガンを多く含む食材

マンガンを含んでいる食品は、茶葉や種実、穀類、豆類などです。

 

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