脳・神経の病気と有効な栄養素

脳・神経の働きと病気

脳や神経系はは、人が生活するうえで最も重要な働きをしていますが、酸化ストレスに大変弱いという特徴を持っています。

脳の病気としては、脳卒中や認知症が代表的なものとしてあげられます。
脳卒中は過度の飲酒や過労が原因となり引き起こされ、酸化ストレスで血管が壊れた場合は再生はできませんが、リハビリにより機能回復が可能です。

認知症は高齢者に比較的多い病気ですが、これは軽度の脳梗塞を繰り返すことでその症状が進行していく「脳血管性認知症」や、脳が萎縮していくアルツハイマー病などがあります。
これらの治療には画期的なものは無いと言われているのが実情ですが、近年では研究が重ねられ、有望な治療法がいくつか期待されているようです。

脳卒中を予防する食習慣

脳卒中といっても毎日に食習慣の積み重ねで発症リスクをかなり低くできるのです。

そのためには、高脂肪・高エネルギーという食事を改め、野菜や良質のタンパク質を中心に、塩分の少ない食事を心がけることです。大量の飲酒も脳卒中の危険性を高めます。なかでも、脳出血とくも膜下出血は、危険性が飲酒の量と比例するといわれます。

体内の水分が少ないことも良くありません。血液が濃くなり血栓ができやすい状態になりがちです。水分を充分に補給し、食生活の改善と適度な運動を心がけることで相乗効果が期待できます。

 

食材選びのポイント

主食は食物繊維が多い玄米がおすすめです。玄米には白米の4倍以上の食物繊維が含まれます。

主菜には青背魚のDHAをとるようにしましょう。青背魚には動脈硬化を抑制するタウリンが豊富ですし、DHAには血栓防止効果があります。

他にも、グリーンアスパラガスに含まれるルチンは毛細血管を強化し、高血圧を予防する効果がありますし、カリウムが塩分を排出してくれます。又、抗酸化成分が強い生姜のショーガオールは体を温めてもくれます。

認知症を予防する食習慣

認知症の原因ははっきりとは解明されていません。

認知症の一つである脳血管性認知症は脳血管障害が原因なので、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの病気の予防法と同様の対策が必要です。

アルツハイマー型認知症の予防には、抗酸化作用のあるビタミンEや青背魚のDHA・IPA、イチョウ葉エキスのギンコライド、魚介類に含まれる赤い色素のアスタキサンチンなどが有効だといわれています。さらに、適度な運動や活発な精神活動を維持することも重要です。

 

食材選びのポイント

大豆や大豆製品には、記録力や集中力を高める大豆レクチンが含まれています。さらにコレステロールが血管に付着するのを予防します。

青背魚のDHA・IPAは血栓を予防します。鮭には抗酸化作用の高いアスタキサンチンを豊富に含みます。

ビタミンCやEの抗酸化作用が認知症の予防につながることがわかっています。

栄養成分についての知識
栄養成分についてのの詳しい解説は
下記のリンクをご覧ください。

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脳・神経の病気に有効な栄養素

脳卒中や脳血管認知症には、塩分と脂肪の制限が必要とされます。

脳梗塞には、食物繊維や魚介類を豊富に摂取するとコレステロール値を下げる効果がありますので有効です。

アルツハイマーには、ビタミンEやB1などが有効といわれますが、まだ不明な点が多いようです。

脳出血には、タンパク質やミネラル、ビタミンなどをバランスよくとることが重要です。

血栓を予防する野菜

  • 薬理効果の高い野菜・・・れんこん・あすぱら・せろり・ししとう・ねぎ・エシャレット・青じそ・あしたば・・・など
  • 効果が高い野菜・・・しゅんぎく・わけぎ・大根の葉・あさつき・にんじん・ピーマン・チンゲンサイ・・・など
  • 効果がある野菜・・・もやし・ブロッコリー・大根・グリンピース・三つ葉・・・など

脳・神経の病気に効く食品

肉の画像豆の画像

  • ビタミンB1・・・豚(ヒレ・もも・赤身)・うなぎ蒲焼・焼き豚・たらこ
  • ビタミンE・・・アーモンド・虹鱒・うなぎ蒲焼・へーゼルナッツ
  • 食物繊維・・・ライ麦・干し柿・えんどう豆・乾燥インゲン豆
    ・・・など

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ジンジベイン

ジンジベインとは

ジンジベインとは、生姜に含まれているタンパク質分解酵素です。

 

ジンジベインの働き・効能

ジンジベインのタンパク質分解能力は、1gのジンジベインで約9kgの肉をやわらかくするという、かなり強力な力を持ちます。
ジンジベインは他にも、肉や魚の消化吸収を助けて、消化不良や胃もたれを防ぎます。

 

生姜に含まれる他の栄養素

生姜にはカリウム、マグネシウム、マンガン、食物繊維などが含まれます。辛味成分はジンゲロンという成分で、これは身体を温め、冷え性を防ぎます。

又、抗酸化作用がありますから癌の予防にも有効です。

上手なとりかたとしては、すりおろして熱い飲み物に入れると身体がしっかり温まります。

 

ジンジベインが含まれる食品

生姜(しょうが)

 

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アクチニジン

アクチニジンとは

アクチニジンとは、キウイフルーツに含まれるタンパク質分解酵素です。

 

アクチニジンActinidinアクチニダインActinidain)、EC 3.4.22.14)は、プロテアーゼ(タンパク質分解酵素)の一種。キウイフルーツに含まれる。緑色のキウイフルーツに含まれるタンパク質の50%を占める。

引用先:wikipedia-アクチニジン

 

アクチニジンの働き・効能

アクチニジンが含まれている食品はキウイフルーツですから、肉や魚などとともに摂取すると、消化吸収を助け胃のもたれや胸焼け、消化不良を助けることになります。

さらに、胃の調子を整えますので体力を増強する効果があります。

 

 キウイフルーツに含まれる他の栄養素

キウイフルーツには、アクチニジンの他にもビタミンCやビタミンEが豊富に含まれます。

他にも、カリウムや食物繊維もかなりの量が含まれています。

ビタミンCには美肌効果や疲労回復効果などがあります。キウイフルーツには100g中約70mgも含まれています。

ビタミンEは抗酸化作用があります。

なお、ゴールデンキウイにはより多くのビタミンC・Eが含まれています。

 

アクチニジンが含まれる食品

キウイフルーツ

 

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パパイン

パパインとは

パパインとは、パパイアに含まれているタンパク質分解酵素です。ただし、熟したパパイアや缶詰にはほとんど含まれていないようです。

肉をやわらかくすることから酢豚に利用されている。

 

パパイア (Carica papaya) から見つかったことからこの名前がつけられた。熟したパパイアにはパパインはほとんど含まれない。同様の酵素(ブロメライン)が生のパイナップルの果実に豊富に含まれており、肉を柔らかくすることから、酢豚などの料理に用いられるが、缶詰の果実ではこのような効果はない。キウイフルーツのアクチニジンやイチジクのフィシン(英語版)も同様な酵素である。

引用先:wikipedia-パパイン

 

パパインの働き・効能

パパインは、肉や魚の消化を促進して体力を増強する働きや、消化不良や胃のもたれ、胸やけの緩和にも有効です。さらに、炎症をしずめる作用が強いですから、やけどの治療や皮膚の傷にも効力を発揮します。

パパインは、これらの効力から医薬品や食肉の軟化材などに利用されています。

 

パパイアに含まれる他の栄養素

パパイヤは果物の中では栄養価が高いことで知られています。

含まれている栄養成分としては、カリウムやビタミンC,鉄分、食物繊維、葉酸、カロテノイドなどです。

食物繊維を含み低脂肪であることから、コレステロールを下げる効果も期待されます。

 

パパインが含まれる食品

熟してないパパイヤ

 

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ジアスターゼ

ジアスターゼとは

アミラーゼとも呼ばれます。

ジアスターゼとは、山芋などに含まれるデンプン消化酵素です。消化を促進して胃腸の働きを正常にします。

 

アミラーゼ (amylase)とは一名ジ(ヂ)アスターゼとも称される、膵液や唾液に含まれる消化酵素。グリコシド結合を加水分解することでデンプン(ラテン語“amylum”)中のアミロースやアミロペクチンを、グルコース、マルトースおよびオリゴ糖に変換する。

引用先:wikipedia-アミラーゼ

 

ジアスターゼの働き・効能

ジアスターゼは、デンプンの消化を助けて胃腸の調子を整え、胃のもたれや胸焼けを緩和する働きを持っています。同時に、胃潰瘍や胃炎にの予防にも有効です。

できるだけ生で摂取するのが良いでしょう。

 

 アミラーゼは消化酵素であり、デンプンやグリコーゲンを分解する。体内では主に、膵臓、耳下腺(唾液腺)から分泌され、またダイコンやカブ、ヤマイモにも多く含まれている。胃腸薬、消化剤として市販もされ、胃もたれや胸焼けの治療、防止に服用されている。

引用先:wikipedia-アミラーゼ

 

 ジアスターゼが多く含まれる食品

山芋や大根、かぶなど

 

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ぺルオキシダーゼ

ぺルオキシダーゼとは

ぺルオキシダーゼとは、体内で合成される抗酸化物質です。

 

ぺルオキシダーゼの働き・効能

ぺルオキシダーゼは、カタラーゼやスーパーオキサイドディスムターゼ(SOD)などと同様に、過剰に作られた活性酸素を除去する仕組みがあります。

これらの酵素は、活性酸素の発生を抑制して、癌や生活習慣病の予防に効果を発揮します。

 

ミトコンドリアの電子伝達系では、スーパーオキシドアニオン(O2)などの活性酸素種が常に発生している。活性酸素は生体分子を破壊し有害であるため、防御機構が存在する。スーパーオキシドアニオンは、まずスーパーオキシドディスムターゼ(SOD) によって過酸化水素に変換され、ペルオキシダーゼによって無害な水に分解される。

引用先:wikipedia-ぺルオキシダーゼ

 

ぺルオキシダーゼが含まれている食品

山芋などです。

 

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トリプシン・インヒビター

トリプシン・インヒビターとは

トリプシン・インヒビターという酵素は、ほとんどの動植物に存在していますが、特に落花生の実や薄皮、大豆などに多く含まれています。
糖尿病の予防に大きな力を発揮します。

 

トリプシン・インヒビターの働き・効能

トリプシン・インヒビターは、タンパク質分解酵素の働きを阻害しますが、同時にインスリンの分泌を促進するという効果を併せ持ちますので、結果として糖尿病の予防に大きな力を発揮します。

又、大腸がんの発生を抑制するという効果もあります。

 

インスリンの分泌

インスリンは膵臓から分泌されるホルモンの一種です。

インスリンは血糖値の上昇を調節するという働きをもっています。

インスリンは、膵臓から分泌され肝臓に送られます。肝臓はインスリンの効果でブドウ糖をグリコーゲンにして肝臓に保管します。インスリンが上手に作られなくなると、血液中のブドウ糖はエネルギーに変わらないで、たまると尿とともに体外に出てしまいます。

こなってしまうと血糖値のコントロールができなくなり、様々な症状がでてしまいます。

 

トリプシン・インヒビターが含まれる食品

特に落花生の実や薄皮、大豆などに多く含まれます。

 

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ナットウキナーゼ

ナットウキナーゼとは

ナットウキナーゼとは、納豆が作り出す酵素でねばねばのもとです。

納豆に含まれる酵素で、納豆が大豆を分解して作ったものです。

 

納豆の食べ合わせ効果

納豆にはビタミンcやカロテンなどは含まれていません。

しかしネギや大根おろしなどの薬味を入れることで、それらを補うことができ、ビタミンB群の吸収を助けることができます。

 

輸入納豆と国産納豆の比較

輸入納豆と比較すると、栄養的には国産納豆のほうがたんぱく質や糖質が多く含まれています。そして低脂質です。

また、ナットウキナーゼを効率よくとるにも国産のほうが優れているといわれます。

 

ナットウキナーゼの働き・効能

ナットウキナーゼは、血栓をとかして血液をサラサラにすることで、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などを予防します。

さらに、納豆菌には強い殺菌作用や抗酸化作用があります。ナットウキナーゼにも抗がん効果が認められています。
他にも、血行を良くすることで、高血圧や冷え性などにも有効とされます。

 

ナットウキナーゼが含まれる食品

納豆

 

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ブロメライン

ブロメラインとは

ブロメラインとは、パイナップルに含まれるタンパク質分解酵素です。
肉や魚に含まれるタンパク質を分解して吸収を助けます。

パイナップルの画像

生のパイナップルの果実に含まれており、肉を柔らかくすることから、酢豚などの料理に用いられるとされるが、加熱調理後や、煮て作られる缶詰の果実ではこのような効果はない。

引用先:wikipedia-ブロメライン

 

ブロメラインの働き・効能

ブロメラインは、炎症を起こす部位にたまる「フィブリン」と呼ばれるタンパク質を分解して、炎症がある箇所の血行を良くして炎症を鎮める作用があります。

他にも、腸内の有害物質を分解する作用、タンパク質代謝産物の過剰で起こる通風や血栓症、動脈瘤、肥満などにも効果的です。
これらの効果を生かすには、できるだけ生で食することが大切です。

 

ブロメラインが含まれる食品

パイナップル

 

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プリン体

プリン体とは

プリン体とは、ビールをはじめとしてほとんどの食品に多かれ少なかれ含まれていて、DNAを構成しています。
プリン体は体内で分解されて尿酸に変化します。

肉の画像

 

高尿酸血症

この病気は、生別や体質、年齢、食習慣など、様々な要因がからみあって起こるとされています。血液中に尿酸が増える要因は、尿酸が異常に作られたり、尿酸の腎臓からの排泄が悪くなることがあげられます。

尿酸が異常に多くなるのは、体内のプリン体が増えたか、プリン体が分解されて尿酸になる量が増えた場合に起きます。

 

ビールに含まれるプリン体

尿酸の原料となるプリン体は、肉や魚介類に多く含まれています。そのため「痛風」はぜいたく病とも言われているときもありました。又、エネルギーの摂りすぎで肥満ぎみになると、尿酸を代謝する機能が衰え、高尿酸血症を起こし、痛風につながります。

アルコールも大きな要因です。アルコールは体内で尿酸をつくり、尿酸の排泄を滞らせます。特に、ビールにはプリン体が多く含まれていいます。食べ過ぎ、飲みすぎをやめて、プリン体の摂りすぎを防ぐことで、高尿酸血症や痛風を軽くすることができます。

 

プリン体の働き・効能

プリン体をとりすぎると尿酸が増えることになります。

増えすぎた尿酸が関節などに溜まった場合通風になりますし、腎臓や尿管内で固まった場合は結石となります。さらに、血管内に付着した場合は動脈硬化を引き起こすことになります。

これらを予防するためには、尿酸のもととなるプリン体をとりすぎないことと、尿の量を増やすことが重要です。

 

プリン体をとる目安

食品から取り入れるプリン体の許容量は「1日400mg」が目安です。適正エネルギーを守り、食べ過ぎに注意することが大切です。

尿酸の排泄を妨げるアルコールは日本酒なら1合、ビールなら中ビン1本までです。週3日以上の休肝日と、プリン体が多く含まれるつまみは避けましょう。

 

プリン体が多く含まれる食品

ほとんどの食品に含まれます。

肉類の中では、特にレバーに多く含まれます。レバーの中では、鶏レバーに多く含まれます。魚では、加工品となる干物に多く含まれます。

 

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