さよりはダツ目、サヨリ科の海水魚です。
細長い形をしている魚で、かますにも似ていますがかますのように歯が鋭くなく、下顎が突き出し上顎が小さな三角形をしています。
さんまにも一見似ていますが、さんまよりスリムで腹側の銀色が美しい魚です。
大きさは最大でも25cm前後、寿命は2年位だといわれます。
沿岸の海面近くを泳ぐ魚で、日本の沿岸ではほぼ生息しています。
食性は動物性プランクトンを捕食したり、海中を漂う海藻の断片を食べたりしています。
熱帯・温帯を合わせ全世界では12属、80種以上のサヨリ科の魚がいますが、日本では 6属、13種が確認されているそうです。
さよりのような綺麗な女性
体色はカラフルではありませんが、背中は青緑で腹側は銀色に光り、スマートですから美しい魚です。
人間で言えばスレンダー美人といった感じでしょうか!?
しかし、腹をさばいてみると腹の膜が真っ黒です。
そのため、「見かけは美しいが腹黒い」、といった女性をさよりのような人だと揶揄することがあります。
さよりの食べ方とおいしい料理
透き通るような白身で低脂肪と美味しい魚、高級魚の部類に入ります。
刺身や昆布〆、寿司だね(棒寿司)、カルパッチョ、てんぷら、干物、塩焼き、汁物・吸い物(椀だね)、等に利用されます。
腹膜の黒い部分は刺身にするとき取ります。ここは苦味のもとになるからです。
さよりの釣り方・漁
漁法は刺し網、タモ網、二隻曳き網漁という二隻の船で表層を引く漁が一般的です。
レジャーとしての釣り方は 、こませかごとウキが一体となったものにアミこませを詰め当たり浮きのしもり玉を付け飛ばし表層を狙う方法と、こませを撒き連玉ウキで表層を釣る方法がある。付け餌はどちらもおきあみかあみえびで、袖針を使うのが肝です。
どちらも市販の仕掛けがあります。
さよりの産地
太平洋沿岸では、茨城県、千葉県、神奈川県、瀬戸内海側では広島県、香川県、日本海では石川県等が主な産地です。
鮮度の良いさよりの選び方
体がしまって硬い。うろこが剥がれていない。目が澄んでる。口の先が赤い。排泄口が閉まっている。腹膜が黒いほど鮮度は良い。
さよりに含まれる栄養成分
可食部(食べられる部分)100gに含まれている成分の数値です。
※μg(マイクログラム)は1gの10万分の一/mgは1gの千分の一
さより・生
エネルギー | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | ナトリウム | カリウム | カルシウム | リン | 鉄 | 亜鉛 |
Kcal(カロリー) | g | g | g | mg | mg | mg | mg | mg | mg |
95 | 19,6 | 1,3 | 微量 | 190 | 290 | 41 | 190 | 0,3 | 1,9 |
ビタミンA | ビタミンB1 | ビタミンB2 | 葉酸 | ビタミンC | コレステロール | 食物繊維 | 食塩相当量 |
μg | mg | mg | μg | mg | mg | g | g |
微量 | 微量 | 0,12 | 10 | 2 | 100 | 0 | 0,5 |
栄養成分の詳細
さより多く含まれる栄養成分。
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さよりの効能
ナトリウムが多く含まれますがこれは、カリウムとともに細胞内外の物質交換や細胞の浸透圧、水分調節、体液のph、神経の刺激伝達、心筋の弛緩を促すなど多くの働きをしています。カリウムも多く含まれますが、カリウムにはナトリウムが腎臓で再吸収されるのを抑制し、尿への排泄を促す働きがあることから、血圧を下げる作用があるとされ、高血圧を予防する効果があると考えられています。
リンはカルシウムやマグネシウムと結合して骨や歯の主成分になります。又、たんぱく質や脂質、糖質などと結合して、細胞膜のリン脂質として、DNAやRNA(遺伝情報物質)などの核酸の構成成分として、あらゆる細胞に存在しています。
さよりの旬と保存方法
- 食べると良い時期(旬)・・・春、三陸沖では初夏
- 理想的な保存方法・・・適切な下処理をした後、ラップをして冷蔵庫へ
- 理想的な保存期間の目安(賞味期限)・・・生は冷蔵庫で1~2日程度(干物にすれば長期保存が可能)